下向き人生に浮かぶあんバターバゲット
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梨木香歩『春になったら苺を摘みに』超短レビュー。

「理解はできないが、受け容れる」それがウェスト夫人の生き方だった。
「私」が学生時代を過ごした英国の下宿には、
女主人ウェスト夫人と様々な人種や考え方
の住人たちが暮らしていた。
ウェスト夫人の強靭な博愛精神と、
時代に左右されない生き方に触れて、
「私」は日常を深く生き抜くということを、
さらに問い続ける

新潮文庫 梨木香歩
『春になったら苺を摘みに』
カバーより。

ウェスト夫人のような人が

たくさんいたら

救われる人がたくさんいるだろうなと

思いました。

人種が違っても前科があっても

特異な人生を送った人にも

やってくる人には

敬意を持って迎えるウェスト夫人。

梨木さんは

そんなウェスト夫人と送った日々が

すごくいとおしそうでした。

自分の価値観を変えてしまう如く・・

この本の最後の方に

911のツインタワーの爆破テロの

ことが書かれています。

混沌とした時代に突入していくことに

深い嘆きを抱きつつ

ウェスト夫人は

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一緒にお茶を飲んで

いつものように、ドライブにも行きましょう、

春になったら、苺を摘みに

(中略)

私たちはまたパンくずをもって親になった去年のひなたちの子供たちにあげるのよ。

私たちはそういうことを毎年続けてきたのです。

毎年続けていくのです・・・

***********************

と梨木さんへの手紙をしたためます。

何かが起こってそれに対する主義主張を

声高に訴えたり、感情的になったりしないで

日常を愛し

日々を慈しむように送って

生きていく、、

そんな

ウェスト夫人独特の凛とした優しさが

際立っていました。

それが、梨木さんの言う

「日常を深く生きる」

ということなんだろうと思いました。

瑞々しい英国の自然の光景が

本を閉じても浮かんできそうです。

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chiho*
日々の記録と想いとパン作りと本と料理と 下ばかり向くモノクロな日々に 色を探して