下向き人生に浮かぶあんバターバゲット
*人生は前にしか進まない*
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近藤史恵『ときどき旅に出るカフェ』。

この本を読みたいなと思ったのは

表紙が真っ赤ないちごのスープの装丁で

とてもおいしそうだと思って

どんなお話か気になって読み始めました。

重要登場人物が二人いまして、

ひとりは

瑛子さん。

37歳 独身 一人住まい 子供がいなくて 恋人もいない

美人というわけでもなく 趣味らしい趣味もない・・・

けれどキャリアウーマン。頼れる。

自分でマンションを買えてしまうくらいの人物です。

もう一人は

瑛子さんの元部下で

今は「カフェ・ルーズ」というカフェを一人で営んでいる

葛井円(くずいまどか)。

瑛子さんは誰にも気を遣わず自宅のソファにいるのが何よりも癒されるのだけれど

ふとしたきっかけでカフェ・ルーズに訪れ

円が世界中を旅して得た知識や経験をもとに作った

メニューと、居心地のよさに

少し心が外に向いていき

カフェの常連さんになっていきます。

円の「カフェ・ルーズ」は

毎月1日から8日が休みで、営業は9日から月末まで。

円はその間に旅に出て買ってきたものや見つけたおいしいものをカフェで出します。

その二人とカフェ・ルーズが舞台のオムニバス小説になっています。

・ときどき旅に出るカフェ

・イチゴのスープ

・ロシア風チーズケーキ

・月はどこに消えた?

・幾層にもなった心

・おがくずのスイーツ

・鴛鴦茶のように

・ホイップクリームの決意

・食いしん坊のコーヒー

・思い出のバクラヴァ

・最終話

という構成になっています。

ミステリーというほどの、ミステリーではないのですが

必ず一つのエピソードに

必ずデザートや料理が出てきます

そしてそれがカギとなって

事件が解決されて行きます。

*********************

瑛子さんは頼りになるので

会社の中の事件や人間関係、など

色んな人から相談を持ち掛けられたり

カフェで出会った知らない人でも助けが必要な人を助けたり

最後には

円自身も

ちょっと面倒なことに巻き込まれていくのですが

そこでも

瑛子さんはじんわりフォローしていきます。

それを助けるのが

円の外国や旅先で得た料理やお菓子の知識や経験で

いつも一役買います。

カレーのお店を開きたい彼氏を支えたくて

会社をどうしようかと相談する部下のこと

その結末をあぶりだすのはハーブだったり、

瑛子さんが仕事の都合で会社での奇妙な不倫事件に

遭遇してしまうけれど大人の女性の生き方を描きながら

謎を解決する

円さんのカフェで出している

ツップフクーヘン(ロシア風チーズケーキの意味)のエピソード、

ほのぼの事件だなと個人的には思った

おみやげの月餅が会社の給湯室から無くなって

その謎をどうしても解いて

上司に報告しなければいけない

けれど最後は瑛子さんの閃きと

カフェ・ルーズの限定お菓子の

本物月餅が解決に導く、月餅のお話、

またまた、

単身赴任の旦那さんが不倫しているかも・・

と相談される瑛子さん。

瑛子さんはそんなにお人よしのようには

設定されていないのですが

やっぱりじっくり相談に乗って

旦那さんの動向を友達と二人で解決しようとするのですが

そのカギになったのはは

ハンガリーのお菓子 ドボシュトルタ。

ちょっと

円に意地悪をしたり会社でパワハラをして

部下だった人を傷つけて鬱にしてしまう人が登場するけど

セラドゥーラというポルトガルのお菓子から

少し浮き上がる円のむかしのこと。

中学生の女の子が

カフェ・ルーズに頻繁に来るようになるけれど

瑛子さんは心配になり

実は瑛子さんと同じマンションの女の子で

女の子のお父さんと新しいお母さんになる

女性との関係を悩んでいて

その女の子に

出す鴛鴦茶が教えること。

中盤以降から

円のお店を模倣したカフェ・ヴォヤージュというお店が出てきて

それに立ち向かう

円と

助けてくれた

ザッハトルテのそばの

甘くないホイップクリーム。

何故か

円の強気さに恋をして

瑛子さんに、円と一緒に働かせてほしいと

頼んでくれという

カフェ・ヴォヤージュの元店員が出てきて

呆れる瑛子さん。

カフェ・ルーズでマサラチャイをのみつつ

円の家庭の事情と今まで知らなかった人間関係が徐々にが見えてきます。

そのへんからじわじわ

円さん、一人で大丈夫?みたいな・・・

展開になっていきます。

昔に、円さんはおばあちゃんだけが

作ったお菓子がおいしい、

と言ってくれて

特別な存在だったのですが

おばあちゃん亡き後

家族と不和が生じます。

この人間関係を書くと

ちょっとあれなので

控えておきますが

最終的に円は

弁護士を立てたり

カフェヴォヤージュにはない

自分の作ったお料理や海外のお菓子で

自分の店と自分の生き方で立ち向かっていきます。

ちらっと円の恋人の存在も出てきますが

驚きの・・驚きの・・だったという・・

ひょっとしたら

食べ物もいいけど

これが大一番の

びっくりエピソードだったかもしれないです。

登場人物の心理描写が丁寧で

瑛子さんも頼られるだけではなく

その分ご自身の価値観が新しいものになっていきます。

瑛子さんは最初ソファが恋人・・

みたいだったのが

居場所を見つけることができて

色んなおいしいものと出会って

円さんと出会って

本当によかったね、と思いました。

大人の女性が一人通えるお気に入りの場所があるって

落ち着ける場所があるって

素敵だなあと思いました。

円さんも

乗り越えないといけないとき

瑛子さんがカフェに通ってくれていたことで

結構心強かったのではないかなと

思ったりしました。

そこまで深くはないけどバディ小説のような推理小説のような料理の知識の本のような・・・

不思議な魅力とおいしそうな食べ物がたっぷり詰まった

「ときどき旅に出るカフェ」という

本でした。

読みやすい本でしたた

ちょっと休憩

にいい感じでしょうか、

落ち込んでいるときに

現実逃避しようと思って読みました。

推理小説のレビューは難しいですね

ネタバレしないように書きましたが

ばれてしまっていたらごめんなさい

それでは・・・

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chiho*
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日々の記録と想いとパン作りと本と料理と 下ばかり向くモノクロな日々に 色を探して